この記事はチュンソフトが開発したテレビゲーム「サウンドノベルシリーズ」「街~運命の交差点」について語ります。
まったくチュンソフトのみなさんに捧げるつもりではないし、現10代のゲームキッズには何の話をしているか想像もできないところが端々に出ると思う。
今回の目的は「30代以上のメンバーに『チュンソフトのサウンドノベル』と言う伝説的ゲームが影響を与えたこと」を呼び起こし、「ただただノスタルジーに浸る」それだけだ!カモン!
【目次】
0.サウンドノベルと言うジャンルについておさらいしよう
1.チュンソフトのサウンドノベル御三家「弟切草」「かまいたちの夜」「街」
2.その中で「街~運命の交差点」について語ろう
3.まとめ
0.サウンドノベルト言うジャンルについておさらいしよう
サウンドノベル(sound novel)はアドベンチャーゲームの一種で、スパイク・チュンソフトの登録商標である。それまでのアドベンチャーゲームとは異なり小説をモチーフとしているため、区切られたメッセージウィンドウにではなく画面全体にテキストが表示されるのが特徴。コンピュータゲームである特性を活かし、効果音、BGM、映像効果が盛り込まれている。
第一作はスパイク・チュンソフトの前身であるチュンソフトから1992年3月7日に発売されたスーパーファミコン用ソフト『弟切草』である。
まずテレビゲームのジャンルとして「アクション」「格闘」「RPG」「シュミレーション」「アドベンチャー」など様々なものがある。
「ゲーム」と言うと「勝利か敗北」「成功か挫折」と言った「結果」を最終的にアウトプットする中での「プロセス(行程・過程)」を楽しむものだと思う。
シンプルに「パズルゲーム」と言っても、創世記は「テトリス」のような「ストーリーが肝心ではなく頭脳を使っていかに早く効率よく面を進めるか」が重視された。
時代は流れ派生的にゲームシステムの追加、目的達成に向けた意味づけ、プレイヤーの感情移入を付加して現代の「ゲーム」マーケットが出来上がった。
難しい話は置いておいてその「アドベンチャーゲーム」とは画面上に現在主人公が置かれている状況が表示されていて、例えば推理小説の探偵であれば机の上の小物を調べて次の展開を考え物語を進めていく、いわゆる「対話型」のゲームのことでした。
チュンソフトの商標にもなったサウンドノベルトは、そこからの派生で基本的には「美しくミステリアスな背景」をバックに「小説のような読み応えのある物語がテキスト表示」されて、要所で雰囲気を盛り上げるBGMや場面展開を示唆するサウンドエフェクトが流れると言った具合。
アプローチしてくる演出はプレイヤーの想像力を刺激し「多くのファン」をうんだことでしょう。
私の場合、夏になると無性にこの「サウンドノベルシリーズ」特に「街~運命の交差点」をキンキンに冷やした部屋でこれまたキンキンに冷えたコーラを飲みながらプレイしたくなるのです。毎年の恒例行事のよう。
夏休みの読書感想文に「かまいたちの夜」をテーマにします!
なんて奴が同級生にいたなw
1.チュンソフトのサウンドノベル御三家「弟切草」「かまいたちの夜」「街~運命の交差点」
「街~運命の交差点」の話に入る前にチュンソフトが開発・発表したタイトルについても触れておきたい。どれもコンセプトがはっきりしており、秀逸のゲームであることは過言でない。
現在でも入手しプレイすることは当然できるので、興味のある方はぜひトライしてみてもらいたいです。
①弟切草
本作品はチュンソフトの自社ブランドの処女作であると同時に、同社が打ち立てたサウンドノベルシリーズの第一作でもある。脚本と監修には、脚本家の長坂秀佳を起用。
実在する同名の植物、オトギリソウをモチーフに描かれるホラータッチのストーリーは、ほぼ同じシークエンスで構成される10数本のストーリーから成り立つ。どのストーリーも選択肢によって別のストーリーに移動することがあるが、各ストーリー毎に登場人物の役割や真相が異なっている。周回を重ねて選択肢が増えていくにつれ整合性が取れなくなることも多くなるが、登場人物が整合性の破綻具合を笑い飛ばすシーンなど、ゲームという表現方法を生かした作りとなっている。
本格ミステリー・ホラーの要素が強い本作。スーパーファミコンで登場し当時のスペックを発揮した美麗なグラフィックとサウンドは本当に怖い。
プレイステーション版で復刻した際はグラフィックもサウンドも刷新。洋館で繰り広げられる異様な世界観を見事に表現している。
登場人物は主人公と恋人のみ。シルエットなどの表現は次回作「かまいたちの夜」で初登場の為、一人称の場面展開。
選択肢をひとつ選び間違えるとホラーがコメディになる自由度があったゲーム。
②かまいたちの夜
続編が2、3、真と「かまいたちの夜」の冠をつけたゲームはあり、多数のゲームハードで展開されているチュンソフトの人気シリーズです。
『かまいたちの夜』(かまいたちのよる)は、チュンソフトより発売されたゲームソフト。『弟切草』に続く同社のサウンドノベルシリーズ第2弾である。
1994年11月25日にスーパーファミコン用ゲームソフトとして発売され、その後数多くの機種に移植された。背景の上に文章が表示され、時折現れる選択肢を選んでいくことで様々な物語が展開するサウンドノベル作品。真冬の雪山のペンションを舞台に、そこで起こる不可思議な殺人事件の謎を解くことが目的だが、多数あるエンディングの関係から、目的とずれた結末を迎えることがあるのも特徴の一つである[3]。
こちらも初登場はスーパーファミコン。後にプレイステーション版で復刻。
発売当時は「竜雷太さん(俳優)」を起用した「五里霧中(ゴリ(さん)夢中)」のコマーシャルが楽しかった。
インパクトのある「こんや、12じ、だれかがしぬ」のメッセージからはじまるミステリー編だけでなく、バッドエンド(最悪の結末)を含む用意されたたくさんのエンディングを観ることで分岐していくストーリーは「パラレルワールド」のよう。
登場人物をうまく使った斬新なストーリーに度肝を抜かれました。
「人物をシルエットで表現する」はしりとなったゲームで、これにより場面転換がわかりやすく、キャラクターへの感情移入もしやすくなったと感じます。
③街~運命の交差点
渋谷の街を舞台に、8人の主人公とそれを取り巻く登場人物が物語を繰り広げる。基本的にそれぞれの主人公に面識はないが、あるシナリオで何気なく行った主人公の行為が、別の主人公の未来に重大な影響を与えることがある。時にはそれがバッドエンドなど悪影響を及ぼす場合があり、それを回避するために、ザッピング(zapping)を行ってシナリオを切り替えながら読み進めていく。
このゲームは実写が一番の売り。
大物俳優さんが主役級ではなく「ほんのわき役」で出演する贅沢さ。
さらにはブレイク前の伊藤さおり(北陽)・窪塚洋介が出演していたりとキャスティングがすごい。
現在の渋谷でこれだけのロケをやったりするのは不可能だと思う。
2.その中で「街~運命の交差点について語ろう
本題「街~運命の交差点」まずはメインのシナリオから。登場人物8人は渋谷の街を生活の拠点にそれぞれの人生を過ごしています。
みなさんも日常生活の中で「自分が何気なく家の外(もしくは家の中ですら)で起こした出来事」が「多くの他人に影響を与えてしまった」経験があるかと思います。
「街~運命の交差点」はゲームである以上、1瞬の判断をすべて切り取ることは難しいのですが、そんな「自分は社会の中で何かしらの影響を与えてしまう存在である」ことを教えてくれます。それでも5日分の8人の動きを表現するとかなりのボリューム。
それは時に「犯罪に手を貸す」ことであったり「生死を左右すること」でもありと「運命が交差するストーリーを」を提供してくれます。
メインシナリオ
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- 「オタク刑事走る!」
- 脚本:長坂秀佳、平松正樹
- 渋谷中央署の刑事である雨宮桂馬は、渋谷のオーロラビジョンに映る謎の文章を見て爆破予告だと断定する。次々と爆破予告をする犯人を探し、桂馬は5日間渋谷を走り回ることになる。
- 「The wrong man 牛」
- 脚本:山崎修
- ヤクザから足を洗った牛尾政美は、宝石店の店員高峰綾にプロポーズをするため宝石店に足を運ぶ。しかし、その宝石店で元舎弟の孤島三次が宝石強盗を働き、偶然居合わせた牛尾は共犯者と間違われてしまう。しかも逃走した先では役者の馬部甚太郎に間違えられ、一時しのぎのため芝居をする羽目になる。
- 「The wrong man 馬」
- 脚本:山崎修
- 馬部甚太郎は売れない役者である。テレビドラマで初めて大役が舞い込んでくるが、うまく演じられず自信をなくしていた。そんな時逃走中の宝石強盗犯、孤島三次に兄貴分の牛尾政美と間違えられたため、馬部は仕方なしにヤクザの世界に足を踏み入れることになる。もし元ヤクザの牛尾を演じ切れず、NGを出したら命は無い。三流役者馬部の人生最悪の3日間が始まる。
- 「七曜会」
- 脚本:長坂秀佳、岩片烈
- 篠田正志は平凡な大学4年生である。父親の勤める大手家電メーカーにコネで就職が決まり喜んでいたが、ある日「日曜日」と名乗る謎の女性が内定取消になるような事実をつきつけて脅迫してくる。脅迫に屈した正志は、七曜会メンバー「金曜日」となり、日曜日の命令通り他人を脅迫をしていくうちに、次第にその面白さに目覚めていく。
- 「シュレディンガーの手」
- 脚本:長坂秀佳、横山至
- 市川文靖はテレビドラマのプロットライターとして成功しているが、その作品は低俗極まりない上に自分が寝ている間に「誰か」が書き起こした身に覚えの無いものであった。市川は自分の作家としての良心を守るため、テレビ業界に一石を投じるため、最高傑作を書こうと作品に取り掛かる。
- 「で・き・ちゃっ・た」
- 脚本:山崎修
- 緑山学院高校の3年生である飛沢陽平は学校一の人気者。とにかく女の子と遊ぶのが大好き。しかしある日、呼び出された女性から「私、できちゃいました」と衝撃の事実を告げられる。
- 「迷える外人部隊」
- 脚本:長坂秀佳、横山至
- フランス外人部隊に身を置く高峰隆士は3年ぶりに故郷、日本へと戻ってくる。しかし戦場での出来事がフラッシュバックし悩む。久しぶりの日本にいても湧き上がる思いは苛立ちばかり。自分の存在意義を見出すために渋谷を徘徊する。
- 「やせるおもい」
- 脚本:岩片烈
- 細井美子は何よりも食べるのが大好きな女の子。恋人の高田洋一と一緒にケーキ屋に行くが、洋一は食欲旺盛な美子を見て5日間の間に17キロ痩せなければ別れると言い出す。美子は愛する洋一のためにと、無茶なダイエットを開始する。
- 街 〜運命の交差点〜 - Wikipedia
隠しシナリオ
※以下のシナリオは、ある条件を満たすとプレイすることが可能になる。PS版ではNORMAL以上から遊ぶことができる。共に選択肢は存在しないが、他主人公の選択によりバッドエンドを迎えることがある。
- 「青ムシ抄」
- 脚本:平松正樹
- 飛沢陽平と同じ緑山学院高校に通うオタク高校生・青井則生の物語。このシナリオのみ唯一実写ではなく、デフォルメされたアニメ絵となっている。
- 「花火」
- 脚本:長坂秀佳
- 「迷える外人部隊」の主人公、高峰隆士の父親、高峰厚士の物語。花火が大好きだった息子のためにあることを実行する。
どの物語も大好きなのですが、2つあげるなら「シュレディンガーの手」と「迷える外人部隊」です。
8人とも明るくてハッピーなストーリー展開ではなく「人間的な悩みや葛藤がありそれを克服していく」ものなのですが、選んだ2つは特に当時の自分の心境に近かったからだと思います。
「昼夜逆転で精神が崩壊しているような状態」とか「自分が生きる場所とはどこにあるのか彷徨いあるく孤独さ」そんな所でしょう。
「街~運命の交差点」のゲームシステムは賛否両論あるようで「実写」と「ザッピング」と言うシステムが特徴です。
実写については「主人公の容姿が具体的過ぎで感情移入できない」。ザッピングについては「ストーリーを読み進めて盛り上がっているところへ、他の主人公の物語から戻ってこいと言われ中断される」と言ったところでしょう。
ザッピングと合わせて途中色付きで表示されるTIPSはまるで「電子辞典」のようで、「脚注」の役割をしてくれています。
難しい専門用語、当時の最新トレンド、本文中では語られていない裏設定などこちらもこちらで読みごたえがあり為になるものばかりです。
私は「街~運命の交差点」を初回リリースのセガサターン版、プレイステーション版、PSP版でプレイしました。計10回以上全クリをするほどのハマり方をしています。
文量も多く1プレイの時間は相当ですが、一度クリアすると選ぶべき選択しもわかり(「街~運命の交差点」はバッドエンドを収集する楽しみがあるくらい豊富ですが、物語が完結するマルチエンディングではありません。 )スラスラ進みます。
2週目3週目になるほど「新たな発見や理解」が進みどんどん好きになるんです。
なによりエンディングの鈴木結女さんの「One and Only」のメロディを聴くときの何とも言えない感動がいつまでも忘れられないんです。
3.まとめ
いかがだったでしょうか。チュンソフトの開発・発表した懐かしいゲーム「サウンドノベルシリーズ」と「街~運命の交差点」についての記事でした。
ゲーム業界も年間いくつものタイトルがリリースされ、流行りすたりの中で淘汰されていきます。
今回紹介の「街~運命の交差点」は1998年のリリースですからすでに発売から20年近くが経過しようとしています。
「5年周期で遊びたくなる」そんなゲームって滅多にないですから、「街~運命の交差点」以上に、これから死ぬまで私の記憶に残り続けていくことでしょう。
あなたも、そんな「自分にとってノスタルジーを感じるもの」を見つけて人生の糧としてくださいね★
mission complete!